おむつなし育児

  • 2014.07.05 Saturday
  • 17:19

少し前から、「おむつなし育児」が話題になっています。実践しているのは、まだ限られた一部の人たちですが、よく知られた雑誌にも取り上げられるなど、その名前は少しずつ知られるようになってきたように思います。

お産子育て向上委員会でも、数年前から年に何回かおむつなし育児をテーマにしたおしゃべり会を開いていますが、毎回定員いっぱいの参加があります。先日千葉市民会館で開かれた、おむつなし育児研究所所長の和田知代さんの講演会に行ってきましたが、そこにもたくさんの人たちが集まっていました。

おむつなし育児講演会
 

おむつなし育児とは、私の理解では、乳児期の赤ちゃんであっても、おむつの中に排泄するのが当たり前ではなく、できるだけおむつの外で排泄させようとする育児法のことです。赤ちゃんのちょっとした仕草から排泄のサインを読み取ったり、もうそろそろじゃないかしらと察知したりして、便所やおまる、お風呂場などに連れて行きます。早い人では産後すぐから始めることもあるようですが、だいたい生後2か月くらいから始める人が多いようです。

誤解のないように言っておきますと、おむつなし育児といっても全くおむつを使わないというわけではありません。実践している人でも、夜や外出時はつけることがほとんどのようですし、気候や体調等によってもおむつをつけたり、つけなかったりしているようです。

 

おむつなし育児の根本には、おむつの中に排泄するのは、誰であっても気持ちのいいものでは無いという考えがあるように思います。当たり前のことですが、赤ちゃんは自ら望んでおむつをつけているわけではありません。おむつをしないと、周りが大変なことになってしまうので、我慢してつけてもらっているのです。おむつなし育児は、その辛さをできるだけ緩和してあげたいということなのです。

 

時々、「おむつなし育児をやっていいことはどんなことですか?」と聞く人がいます。おむつなし育児は、もちろん赤ちゃんのためのものです。赤ちゃんが実際に口に出して言うことはありませんが、おむつの中に排泄して、そのままの状態でいることはとても辛いことです。明確な意思表示がなく、また赤ちゃんはおむつをするものという固定観念があるため、私たちは深く気にとめていませんが、赤ちゃんは決して平気だと言うわけでは無いのです。

おむつなし育児は赤ちゃんのためのものですが、周りの人にとっても良いことがたくさんあります。私自身はおむつなし育児の経験はないのですが、実践した人の話では、かなり早い時期におむつが外れるようです。おむつが早く外れれば、排泄の後始末の手間がなくなりますし、外出時の荷物も減って楽になります。また赤ちゃんをよく観察し、サインを伺う中で、赤ちゃんとのコミュニケーションも豊かになり、育児がより楽しくなるはずです。個人的には、おむつなしと肩肘を張らずに、布おむつ育児の延長線上のつもりくらいの軽い気持ちでやってみたら楽しくできるのではないかと思っています。

 

おむつが外れる年齢が昔に比べて上がってきているようです。以前は、遅くとも幼稚園に上がる前にはおむつを外しておくというのが一般的でしたが、今は幼稚園でおむつをしている子はそれほど珍しくなくなってきているようです。実際、以前はなかった大きなサイズの子ども用紙おむつが店頭で普通に売られています。また以前は、おむつはできるだけ早く外したいという考えが主流でしたが、少し前からおむつは年が上がれば自然に外れるものだから、無理にトイレトレーニングをする必要は無いという考えが広まるようになってきました。紙おむつが広く普及したことに加えて、こうした考えを持つ親たちが増えたことも、子どもたちのおむつが外れる年齢が上がってきている要因と考えられます。

 

おむつなし育児研究所の和田さんによれば、紙おむつ先進国のアメリカでは、小学生になってもおむつが取れないこともそれほど珍しくないとの事でした。このままいくと、いずれ日本でもそのような状況が訪れるかもしれません。2歳くらいまでは自律的な排泄は確立しないという学説が誤って理解され、2歳からトイレトレーニングをすれば充分という考えが広まったことも影響していると和田さんは指摘されていました。

 

いずれにしても、赤ちゃんはおむつをしていて当たり前、平気なのだと考えるのはよくありません。赤ちゃんは望んでおむつをしているのではありません。誰にとってもおむつは気持ちのいいものではありません。現在の生活環境を考えるとやむを得ないこととはいえ、赤ちゃんは自らの意思に反しておむつを余儀なくされ、仕方なくその不快感を受容しているのだと理解する必要があります。おむつなし育児に限らず、布おむつや紙おむつを使う場合でも、そのことを頭に入れておくことが一番大事なことです。

 

赤ちゃんはまだ話すことはできないかもしれませんが、とても賢くて、いろいろなことが分かっています。私がお父さんお母さんにお願いしたいのは、赤ちゃんの排泄にできるだけ気を配り、まめに便所やおまるに連れて行ったり、おむつが濡れていないかチェックしたりして、おむつの中に排泄したまま長時間放って置くことがないようにしてほしいということです。赤ちゃんが不快な思いをして辛いというだけでなく、そうした状態に慣らされることで、おむつが外れる時期が遅くなる可能性が高まることも心配されるのです。紙おむつの性能が良くなり、 2〜3回おしっこをしても外に漏れなくなったとしても、したことに気づいてそのままにしておくようなことはしてないように決してないようにしていただきたいです。

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